こんにちは!
Lana札幌スタッフの松本です!
やってきました第2回生物を知ろう!
今回もダイビング中によく見かける
あの!生物がテーマです!

今回は…なんと…

ホヤです!
出典:アクアマリンふくしま

ってホヤか〜い!
予告通りなのか〜い!
というツッコミがあるかもしれませんが
前回はなんとまだ幼生!!
についてしか
触れてません!
衝撃の事実ですよね…
自分も同じ気持ちです。
ライセンス習得状況で言えば限定水域が終わった程度。
それくらい簡単に終わらないのです、
ホヤという生物は。
それほど奥深い生態を持っているのです。
と、いうわけで今回のテーマは!
ホヤの成体の生態について!
新しいダイビングの楽しみを
ここで増やしましょう!
では、早速始めていきましょう〜!

では、前回も聞いたかもしれない質問をします。
みなさんは
ライセンスを取るときやFUNダイビングをする時
どこでホヤを見かけましたか?
思い出してみてください!
と言っても簡単ですよね。
札幌では積丹へとダイビングしに行きますが、
よく茶津というポイントにある根の方へと行きます。
その根によく付いているのを見かけませんか?
他にも根に向かっている道中の海底の岩なんかでも
見かけるかと思います。
岩に張り付いている。
当たり前じゃん!
と思われますが、
それこそホヤの大きな生態の一つなんです!

前回触れたように、
ホヤは幼生の頃はオタマジャクシのような見た目
で漂っているのがわかりました。
(ダイビングしてても見えないくらい小さいですが)

そしてその時に軽く触れたのですが、
幼生時代では海を漂いながら自分がくっつく岩を探しています。
付着突起と呼ばれる部位で岩に触れると、
幼生は反応を起こし変態を始めます。

脊索をはじめとした器官を失い、
ダイビング中に見かけるあのパイナップル型になるのですが…
あの形、そして動かないという性質で、
どうやって生きているのか?
そんな疑問を持ちませんか?
岩に張り付きながら彼らはどんな生活をしているのか。
言うなれば

ホヤたちはどう生きるか

ですね!
…という冗談は置いておいて、

まずはホヤは生物です!
生物として生きています!
なので

彼らも呼吸して食事をしています!

当たり前ですけど、不思議な感覚ですよね。
まずどこが口なのか。
それすらもわからないと思います。
なので、前回も利用した断面図を出したいと思います。
北海道でも潜った時に見られる標準的なホヤ、マボヤの断面図です。

ホヤの生態とデジタルネイチャー:脳の退化が映すAI時代の知能と新たな自然観より引用

「おいおい待てよ、口無いじゃん」
と思われるかもしれません。
そうですね、口は無いです。
口は無いですが、その代わりに
入水孔があります!
入水孔?なにそれ?と思う方や
なんとなく察しがつく方がいるかもしれません。
ホヤはこの入水孔を使って海水を取り込んでいるのです!

水を取り込む?酸素は?食べ物は?と思われるかもしれません。
しかし問題はありません。
ホヤはこの水を取り込む時に、
酸素と食べ物を取り込んでいるのです。

実際にダイビング中に見てもらうとわかりますが、
この入水孔が動いている時があります。
さて、ホヤが取り込む海水。
そこにはもちろん酸素が含まれています。
そして、彼らの食べ物も含まれています。
それがプランクトンデトリタスです。

※デトリタスとは
簡単に説明すると生物の遺体や排泄物などからできた
有機物の粒子、かけらです


では、どうやってその酸素や食べ物を海水から分離させるのか。
それは入水孔から入った先にある、
鰓嚢がその役割を果たしているのです!
鰓嚢?と疑問を持つ人がいるかもしれません。
普段目にしない漢字ですからね。

なので、この鰓という漢字の訓読みをお教えします。
すると、
なんとなく鰓嚢がどういったものかわかると思います。
鰓の訓読み。
それは「エラ」です!
はい、なんとなく鰓嚢の役割に察しがついたと思います。
そうです。ここで海水から酸素を取り出します!
なんて言ったってエラですからね。
(しかし普通の魚と違い、
ダイビング中に見ても殻の中で見えないのですが…)
しかし、ホヤのエラ。
いえ鰓嚢はもっと凄いのです。

ホヤの鰓嚢は非常に発達しています。
ホヤの鰓嚢には鰓孔と呼ばれる穴が無数に空いており
そこには繊毛が生えており、
なんとこれを利用して

水流を作り出します

ダイビング中に感じる、あの水流です!
この水流を使って海水から餌を濾し取ります。
濾し取った餌や酸素を取り込むのですが、
餌を取る際には粘液で捉えて、食道へと運ばれます

食道へと運ばれた餌は胃を通り腸を通り肛門へと運ばれます。
そして、その肛門は囲鰓腔と呼ばれる器官へと繋がっています。
この囲鰓腔、実は鰓嚢とも繋がっているのです。
囲鰓腔は濾過された海水や排泄物などを排出する
出水孔へと繋がる場所で、
一度排出するものを貯めておく場所になっています。
そして、貯まった排出物を出水孔から出していく仕組みになっています。
この時、出水孔も動いています。

これもダイビング中に見られる光景になっているので、
見かけたら観察してみてください!

なので動かなくても生きている。
この鰓嚢が非常に発達して、
大きいために可能な生活になっているのです。

余談ですが、外皮から見える数少ない器官である
入水孔と出水孔。
この二つの見極め方があるのをご存知でしょうか?
ご存知ない方に説明すると
なんと入水孔は閉じると+の形に、
出水孔は−の形になるのです!
生物学的なホヤ
出典:ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
なんてわかりやすい!
もしダイビングをした際にはホヤを探して
この孔を見てみてください!
本当に+−の形になっているので!

さて、少し話が逸れましたので戻します。
ダイビングをしている最中、
多くの生物を目にすると思います。
時折、潜っている時にある活動を目にしませんか?

そう、生殖活動ですね。
ホヤも生物なので、
もちろん生殖活動もします。
では先ほどの図をもう一度ご覧になって生殖器を探してみてください。
何かおかしな点は見つかりませんか?
そうです!
ホヤは精巣と卵巣をどちらも持った雌雄同体なんです!
なので、よく潜っている時に出会う生物で言えば、
ウミウシやアメフラシと同じと言えますね。
しかし彼らと決定的に違うのは、
やはり動けないということです。
では、一体どうやって生殖活動をしているのか?
それは先ほどの出水孔が関わってきます。
出水孔から排泄物や濾過した海水を放出するホヤですが、
彼らはその同じ出水孔から

精子と卵子を放出するのです!


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出典:ホヤの放卵高砂 淳二
積丹でダイビングした時に、たくさん見られるウニと同じように

体外受精で生殖活動をするのです!

それが一つの大きな特徴なのです。
ホヤの産卵時期は冬とされており、
そのタイミングで積丹でダイビングをすれば、
この貴重な活動を観察できる可能性があります。

しかし、この放精放卵には問題点もあります。
それが放出した時に自分の出した精子と卵子がくっついてしまう!
という問題です。
これを自家受精というのですが、
これは短期的に見れば早く個体を増やせますが、
長期的に見れば遺伝子の多様性が失われ、
絶滅に瀕することになります。
なので、
それを回避する術が必要になってきます。
それが自家不和合性と言います。
自家不和合性とは簡単に言えば、
精子と卵子が自己と非自己を認識して受精しないようにするもの
と思ってください。

本当にざっくりとした説明なのですが、
この自家不和合性はめちゃくちゃ難しく、
この内容だけで今回のブログが終わっちゃうので、
興味がある方はご自身で調べてみてください!

ますますホヤが不思議に感じられますね。
しかし、まだまだホヤの生殖は続きます!
なぜなら、

この放精放卵の生殖以外にもホヤの生殖があるからです!

な、なにぃ〜!?
ホヤ、どこまで秘密があるんだという感じですよね。
では、他の生殖方法って何?
という説明をする前に、
知っておいてほしい情報があります。
それが、ホヤには2つの種類があるということです。
それが…

単体ホヤと群体ホヤの2種類存在している

ということです。

単体と群体。
このワードが出て察しがついた人も
いるかもしれませんね。
そうです。もう1つの生殖方法…それは…
自己を増やす無性生殖を行うのです!

そうなのです。
ホヤ、無性生殖を行います。
しかしこの無性生殖を行えるのは、群体ホヤのみとなっています。
近年人気になったウルトラマンホヤなんかがそうですね。
伊豆や和歌山、尾鷲などでダイビング活動を行っている方にとっては、
割と身近なのは群体ホヤかもしれません。

単体ホヤは有性生殖のみで繁殖をして、
群体ホヤは無性生殖と有性生殖どちらも行います。
よく北海道の海やスーパーで見かけるホヤはマボヤなのですが、
それは単体ボヤとなっております。
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出典:アクアマリンふくしま

例えば群体ホヤを例にとると、
イタボヤ、チャツボボヤと呼ばれるホヤが生息しています。
また北海道でのダイビング、
それも積丹で見られる可能性があるものとしては
マメホヤが挙げられます。
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出典:珍獣図鑑(5):これぞ機能美!? 無性生殖で増えまくる群体性ホヤの美しさ
これらのホヤが群体ボヤに属しています。
では、この群体ボヤはどうやって増えていくのか。
それは群体ホヤに存在している個虫が関係しています。

個虫とは何か
簡単に言ってしまえば、
クローンと呼ばれるものです。
(実はダイビングした時、種類によってはこの個虫が見られるかもしれないです!)
そして群体ホヤというのは、
この個虫が本体とも言えます。
群体ホヤは見た目では、
一個体のホヤに見えますが、
実はそれはこの個虫が集まった姿なのです!
そしてこの個虫がクローンであるということから、
群体ホヤは自分が増えて集まった形なのです。
この個虫が自らを増やす出芽をして、
集まり形作ったのが
無性生殖となっています。

また群体ホヤは有性生殖もするという話をしました。
ではいつ有性生殖をするのか。
基本的には群体ホヤは無性生殖で増えていきます。
しかし環境の変化や天敵が現れた際、
移動しなければならない時に彼らは有性生殖を行います。

ちなみに群体ホヤの精巣と卵巣は個虫にあり、
なんと個々の個虫それぞれが精巣と卵巣を持っているのです!

そして受精した卵子は単体ホヤと同じく
オタマジャクシの姿になり、
岩などに固着して変態を始めます。
この時、単体ホヤと違うのは個虫になる
というのがポイントです。
そして出芽をして集まるというのが、
群体ホヤなのです。

ここで少しだけ群体ホヤの話を深掘りします。
群体ホヤの個虫。
彼らには共有しているものとしていないものがあります。
共有しているものは
血管被嚢出水孔があります。
共有していないもので言えば、
入水孔があります。
どうして入水孔を共有していないのか。
それは同じ遺伝子のクローンではありますが、
一個体であるからです。
それぞれの個体が食べなければならない。
なので入水孔は共有していないのです。
(なお、この入水孔を共有している個体もいます)
そんな群体ホヤのちょっとした小話でした。
しかし、ここで一つ重要な単語が出ました。
それが被嚢です!
(少し無理やりな話題の変更ですが。笑)
しかし、この被嚢はとても重要になっております。
なので、今回のブログ最後の話題
被嚢
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※白い部分が被嚢です
について触れていこうと思います!

では、このホヤの被嚢の一体何がすごいのか。
ダイビング中に見かけるホヤは
実際には被嚢しか見えていると言っても過言ではありません。
まずその役割から話そうと思います。
被嚢の役割。
それは自分の体を守るために存在していると
考えられています。
この被嚢を持っていることから、
ホヤは被嚢生物とも呼ばれています。
なんだ、シンプルじゃん!
と思われるかもしれません。
しかし、
この被嚢はその役割からは考えられないもので
作られているのです。
それが…

セルロース!

なんで!?
っていう感想を持ちますよね。
自分も調べてそれを知った時に驚きました。
自分でセルロースを合成するホヤ。

それは生物で唯一と言ってもいいくらい
他の生物には見られない特徴になっています。
このセルロースを合成できるようになった経緯。
それは明確にはなっていませんが、
細菌から取り込んだセルロース合成酵素を利用したというのが
一説で語られています。
これがホヤのセルロース合成酵素遺伝子として残り、
セルロースの合成を可能にしていると考えられています。
なんとも不思議な生物ですね。
ちなみにこの被嚢はセルロースでできていることから
スピーカーの材料になっていたりします。
本当に知れば知るほど奥の深い生物ですね。

以上で今回のホヤの話題以上となります。
ホヤが気になった人、興味を持った人
いるのではないでしょうか?
もしダイビングをすることがあれば、
ぜひ探して観察をしてみてください。
それでは次回の生物を知ろうでお会いしましょう!
なお次の生物はホヤかもしれないし、
別の生物になるかも…?!
お楽しみに!


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